三重 | 社会福祉法人 あおい会 サラナ保育園 | 年長 | 絵画 | 浅川 陽音 |
愛知 | 小牧市立 味岡小学校 | 小5 | 平和の鐘 | 水野 空 |
「ぼくは忘れません」
ぼくは小学校一年生まで長崎に住んでいました。ぼくが通っていた小学校は、原ばく落下中心地からわずか五〇〇メートルの所にあり、校内には、平和祈念館などの施設や、かよ子桜、カラスザンショウの木、双子クスなど戦争や原ばくの苦しみを乗りこえてきたひばく樹木がたくさんあります。かよ子桜は、原ばくで死んでしまったかよ子さんをしのんで植えられた、桜の木です。双子クスは、原ばくで枯れたと思われた原木の両側から二本の木が芽吹き成長した木です。ぼくは平和坂の入り口に立つ双子クスを、毎日見ながら登下校し、平和についてたくさん学びました。
二年生になったぼくは、名古屋に引っこして来ました。長崎の学校も大好きだったけれど、今の学校も大好きです。友達もたくさんできたし、休み時間はドッヂボールやおにごっこで遊んだりして、毎日がとても楽しいです。だからぼくは少しずつ考えなくなりました。戦争のことを…忘れてしまっていました。かよ子桜や双子クスのことを…。
そんなぼくだから、この本を読んだ時、心にグサッとつきささるものがありました。本の中で、キョウチクトウの話を聞いた少年は、「わすれていてごめんね……」と、小さな声でささやきました。
この少年は、まさしくぼくだと思いました。毎日が楽しくて、戦争について、平和について、かよ子桜や双子クスについて忘れていたぼくだと思いました。そしてこの本が、またぼくに思い出させてくれました。戦争で多くの人や生き物がなくなった事、そこから一歩ずつ前に進んで今の幸せがあるということを。
だからもうぼくは忘れません。そしてこれからは、平和についてもっと関心を持って学びます。平和で幸せな生活がずっと続いて、人と人とが争う事もなく、国と国とが戦争する事もない世界にしたいです。このぼくの心に生まれた「希望」を大切に育てていきます。
愛知 | 名古屋市立 植田南小学校 | 小4 | 感想文 | 水野 玖隆 |