島根大田市立 第二中学校中2絵画稗田 優香

愛知春日井市立 石尾台中学校中3被爆者命の声村田 汐梨

夾竹桃物語と広島を想う

 今日も窓から見える景色は雨模様だ。紫色のアジサイとカタツムリは二年前を思い出させてくれる。二年前、私は初めて夾竹桃物語を読んで作文を書きコンクールへ応募した。

この物語の内容で心に残ったのは「動植物の生きようとする美しい姿」であった。そこで初めて広島に招待され原爆資料館や原爆ドーム、記念式典に参加した。作文を書いている時は、ただ「犬や夾竹桃の花は偉かったんだね。」くらいの思いだった。しかし実際にこの目で原爆資料館で見た全てのものは、想像を絶するものだった。全身やけどを負った人の写真や死体が積み重なっている絵などが沢山あった。この日本で数十年前に実際起きた事だとは想像できなかった。あり得ない内容だった。私は動植物の生きようとする美しい姿をイメージして広島に行ったことを情けなく思った。とても生きようと力が沸くような状況ではなく、ただただ絶望しか感じなれなかった。

 私は今回「夾竹桃物語」を再度読み直した。作者の思いなど更に深く読み取るためだ。すると、あるフレーズの所で読むのが止まった。犬たちが「僕の分まで生きてね。生きてね。」と夾竹桃に水をやりながら死んでいくシーンだ。どんな過酷な状況でも「生きる」ことへのこだわりを感じた。すべての生き物は、お互いに生かされて、支えあっているのだと感じた。このコロナウイルスの中で不自由な中でも「生きる」ということを報道なによって考えさせられる。とても厳しい状況下でも医療従事者は、懸命に働いている。この未知のウイルスとの戦いでも、「生きる」ための支えが必要だと改めて考えさせられる。

 八月六日。私は二年前の壊れた原爆ドームを思い出し、また生かされていることに感謝しながら宮崎から広島に向かい、黙とうしたいと思う。

宮崎学校法人 大淀学園 鵬翔中学校中3感想文唐金 美羽