島根大田市立 第二中学校中3絵画竹下 莉子

兵庫学校法人 神戸中華同文学校4いのちの水林 多多

語り継ぎたい物語

 戦争はいつも、大切なものを守ろうとして始まります。例えば、土地を巡った争いは、大切な土地を守るため、宗教や民族による考え方の違いから起こる争いは、大切な考えを守るために争うのです。そして、大切なものを守るための楯だけでなく、権力で人を従えるための剣さえも握ってしまった時、争いは起きてしまうのです。

 私はこのことを、夾竹桃物語を読む前から考えていました。人々の争いは大切なものを守るためのものなのだから、避けられないのだと思っていました。しかし、夾竹桃物語を読んで、その考えは間違いだと気付きました。

 特にそれが分かったのは、夾竹桃をはじめとした自然が、原子爆弾に苦しめられる場面です。私は、戦争は怖いものだと聞いていましたが、この場面を読んで、改めて戦争の恐ろしさを知りました。その時、私は「戦争をしたくない。」と思いました。自分自身は勿論、大切な人や自然が傷つくのが、怖くなったからです。そして、このような戦争を阻む気持ちを皆が持てば、きっと戦争は起こらないのだということと、守るために剣を持つ必要はないということに気付きました。

 だから今後、争いをなくすために、私たちは語り継ぐべきだと思います。守ろうとして争っても、返って奪われてしまうということを。戦争は人だけでなく、自然にも影響がでるということを。戦争は痛くて悲しいものだということを。そうして、もう争いを起こさないようにするのです。

 しかし、語り継いでも、これからの未来どうなるのか、夾竹桃の花が美しく咲き続けるのかは分かりません。それでも私は、平和を願い続けます。もう一度希望が生まれるように、この物語を語り継いでいきます。

東京東京都立南多摩中等教育学校中1感想文石川 瑞貴