社会福祉法人 和真会 熊味こども園 | 年長 | 絵画 | 杉浦 伊織 |
夾竹桃物語を読んで
せんそうを知らない九さいの私が、平和や原ばく、せんそうについて知りたいと思ったのは、ある一つの石との出会いでした。
「さっちゃん。これ何だと思う?」
私がごはんを食べていると、ママが一枚の写真を見せてくれました。そこには、まがまがしいふんいきの石が写っていて、
「これ何?何の石?」
と聞くと、
「これはね、原ばくがわらと言って…。」
と、原ばくについて話をしてくれました。石の表面にある黒いブツブツもようは、原ばくのねつでいっしゅんにして溶けたガラスだと知り、ガラスのかがやきなどまったく見当たらないこげた石を見つめながら、私はそのいりょくの大きさに、おどろきとこわさを感じました。
夾竹桃物語の中でも、「人間も動物も昆虫も木も魚もあっという間に溶けて死んだわ」とういう言葉があります。物語を読みながら、あの石が頭にうかびました。いったい、あの光とねつをあびた生き物たちは、どれほど苦しかったんだろう。いたかったんだろう。読めば読むほど、かなしい気持ちになりました。
せんそうは、ぜったいに起きてはいけない。私は、大きな声でそうみんなに伝えたいです。みんなにせんそうのおそろしさを知ってもらいたいです。そのためにも、まずは私がもっとせんそうについて勉強しなければいけないと思いました。広島にもじっさいに行ってみたいと思いました。そして、「私はわすれないよ。つたえるよ」と、苦しんだ全ての生き物に思いをとどけたいと思いました。