愛知愛知教育大学附属名古屋中学校中2絵画山﨑 琴子

 約八十年前の八月六日、広島に落とされた原子爆弾によって広島の街は破壊され何万人もの命が一瞬で奪われました。私のひいおばあちゃんやその弟もその中に含まれていました。私達は小さな頃から平和学習を通して戦争や核兵器の恐ろしさを学んできましたが、核爆弾が破壊したのは人の営みだけではなかったのだと今回気付かされました。緑豊かであった広島の地の木々や草花は焼かれ、その下に集う鳥や昆虫たち、馬車を引く馬や庭で暮らす犬や猫もまた、その犠牲となったのです。
 私達人間は、自分達を中心に物事を捉え考えがちです。ですが、自分勝手な都合で戦争を起こし街や自然を破壊し、たくさんの命を脅かしていてもよいのでしょうか。戦争だけではありません。自己の利益の為だけに森を焼き、海にプラスチックを流し、そこで暮らす生き物の家を奪ってもよいのでしょうか。ウクライナやロシア、ガザやイスラエルでの争いで口々失われていっているのは人間の命だけではないのです。その影でさらに多くの命が気づかれることもなく失われているのです。私達人間にはキョウチクトウの「助けて」の声が聞こえなかったように、今世界中から上がっている「助けて」の声を聞き逃している気がしてなりません。
 平和とは誰のためのものなのでしょうか。地球上の生きとし生けるものがその生命を全うできる暮らしを守ることだと私は思います。自己利益のみの追求をやめ、耳を澄まし心をかたむけて地球のあちこちから上がっている「助けて」の声に反応できる人間になりたいです。核廃絶への声を上げ続け、全ての命にとって持続可能な社会を築いていくことがこれからを生きる私達の責任です。

広島AICJ中学校中1感想文西村 芙美花