東京 | 源氏前保育園 | 年長 | 絵画 | 西尾 旺起 |
愛知 | 小牧市立 本庄小学校 | 2 | おとうさん | 西尾 一誠 |
「夾竹桃物語」を読んで、私は、人の命だけでなく全ての生きるものに対して敬意を抱かねばならないことに気付かされました。
この物語は人間以外の生き物たちの視点で描かれています。最初、なぜそのような書き方をするのか疑問を持ちました。それは、私は原爆で一番被害を受けたのは人間だと思っていたからです。
「わたしたにの仲間も、みんな原子爆弾で死んだのに」。これは原爆の被害を受けた動物が言った台詞です。平和式典が開かれても、人々の関心は亡くなった人間だけに向いていました。
以前、人間は自分に近いものに共感する傾向があると聞いたことがあります。被害を受け苦しんだのは人間、可哀想なのは人間という先入観は、私達が人間だからあるのだと感じました。実際、私は原爆において注目されている惨劇しか知りませんでした。ニュースや本でよく見かける、人間についてのことです。
この物語では生き物に例えられていますが、普段の生活の中にも隠れているエピソードがあり、これが平和を作るきっかけになるかもしれません。私達はそれを手探りで探し出して、より良い日常を作っていかなければなりません。
また、夾竹桃物語では助けることの大切さにも触れられています。息絶えそうなキョウチクトウに、犬は熱心に水を与えていました。犬がいなければキョウチクトウは生きていけなかったのです。キョウチクトウは自分のせいで犬が死んでしまったのを申し訳なく思っており、だからこそ、彼らは恩人のことを語り継いでいきました。これは、今の原爆証言者や伝承者に似ています。
この物語に登場する生き物を通してこれまで気付けなかった惨劇に注目し、被害を受けたすべての人・物に敬意を持ちたいと感じました。「夾竹桃物語」は私のそれまでの考えを覆した、未来の平和を担う大切な絵本になりました。
広島 | AICJ中学校 | 中1 | 感想文 | 松浦 朱音 |