岐阜県知事賞
わすれていてごめんね |
「ぼくは絶対にわすれないよ。」
この本を最初に読んだ時、被災地に生き残ったペットたちの姿を思い出しました。ブルブルとふるえて、コツコツして、毛が抜けて、とっても悲しい目をした犬たち。たくさんの人が津波にのまれて死にました。たくさんの動物たちも同じように死にました。ぼくはテレビでそれを見ました。人間を見る目がとっても悲しそうだったのを今でもおぼえています。人間のいるひなん所へ連れて行ってもらえなくて、月に一度だけやってくるボランティアの人たちに水とえさをバケツに入れてもらっている姿を見ました。ぼくはその時生きているのにかわいそうだと思いました。生きていた方がさみしそうだと思いました。なぜならまるで死ぬのを待っているかのように思えたからです。
この本とついこの間起こった東北の出来事が重なりました。ヒロシマに原子爆弾が落ちてたくさんの命がなくなったように、東北に津波がきて、たくさんの命がなくなりました。ぼくは、今でも、車や屋根がぷかぷかと浮いている場面をはっきりと覚えています。その屋根の上にぼくと同じくらいの女の子がおじいさんと手を広げて助けを求めていました。流れていく大木に女の人と犬が一生けん命につかまって手をふっている姿を見ました。
どれもまだ、ついこの間の出来事です。それでも、ぼくにはどうすることもできません。ぼくはあれ以来生き残った命は本当に幸せだったのかと思っていました。
でもこの本を読み終えてみると、死んでしまった命を忘れないでいることは、生きている命の役目なのです。死んでしまった命を大切に大切に心で生かしてあげなければならないのです。
ぼくもちかいました。
「けっしてわすれないからね。」 |
|
岐阜 |
揖斐川町立 谷汲小学校 |
小5 |
感想文 |
不破 聖護 |
|
|
|
|
※サイト内に掲載の画像・文章及び作品等々の版権・著作権は、夾竹桃物語事務局が所有しています。
お電話でのご質問・お問合せは
〒510-0076 三重県四日市市堀木1-3-25 TEL(059)351-1944(平日AM10:00〜PM5:00)
「夾竹桃物語−わすれていてごめんね」絵画・書道・読書感想文事務局まで